ふとい (太藺)
学名 |
Schoenoplectus tabernaemontani (Scirpus tabernaemontani, Scirpus
validus) |
日本名 |
フトイ |
科名(日本名) |
カヤツリグサ科 |
日本語別名 |
オオイ、トウイ、マルスゲ |
漢名 |
水葱(スイソウ, shuĭcōng) |
科名(漢名) |
莎草(サソウ,suōcăo)科 |
漢語別名 |
莞(カン,guăn) |
英名 |
Soft-stem bubrush, Giant bulrush, Tabernaemontanus bulrush |
2009/08/13 同上 |
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辨 |
フトイ属(ホタルイ属) Schoenoplectus(水葱 shuĭcōng 屬)には、世界に約30種がある。
オオフトイ S. lacustris(Scirpus lacustris, Cyperus lacustris; 沼生水葱)
S. litoralis(Scirpus litoralis; 羽狀剛毛水葱)
シズイ S. nipponicus
イヌフトイ S. subulatus(Scirpus subulatus, Scirpus litoralis ssp. subulatus;
鑽苞水葱)
フトイ S. tabernaemontani(S.lacustris ssp.tabernaemontani,S.lacustris
ssp.validus,S.validus;水葱)『中国雑草原色図鑑』341
サンカクイ S. triqueter(Scirpus triqueter; 三稜水葱・藨草,ヒョウソウ,biāocăo)
『中国雑草原色図鑑』341
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一般に菅と呼ばれる草について、スゲを見よ。
カヤツリグサ科 Cyperaceae(莎草 suōcăo 科)については、カヤツリグサ科を見よ。 |
訓 |
和名は、茎が太いことから。 |
『倭名類聚抄』に、莞は「於保井」と、江浦草は「豆久毛、一云太久萬毛」と。
『大和本草』に、「莞 ・・・倭名抄ニ莞草ヲオホ井ト訓ス、オホ井ハ大藺ナリ、井ハ燈心草ナリ、オホ井ハ俗ニフト井トモ、又唐井トモ、マルスゲ、又佛杖トモ云」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』に、「莞 ツクモ和名鈔 タクマモ オホヰ倶ニ同上 マルスゲ マルガマ ニヨイ オヰ仙台 フトヰ ブツジヤウ大和本草 トウヰ勢州濃州 リウセイ江州 サシモグサ藝州 リウキウ播州 シチトウ備前 オヱ羽州」と。
なお、ショウブも一名を莞という。 |
説 |
北海道・本州・四国・九州・琉球・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・華北・江蘇・陝甘・四川・貴州・雲南・マレーシア・オセアニア・南北アメリカに分布(アメリカの S. validus は別種とする説もある)。『中国本草図録』Ⅴ/2394 |
誌 |
茎から筵を作る。 |
中国では、地上の全草を薬用にする。 『全国中草葯匯編』下/135 |
『万葉集』に、
かみつけぬ(上毛野)いなら(伊奈良)のぬま(沼)のおほゐぐさ(大藺草)
よそに見しよはいま(今)こそまさ(勝)れ (14/3417,読人知らず)
とある大藺草は、このフトイという。 |
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